【経理の価値】経理の効率化を図る3つのデジタル化

経理/財務

yukiです。
前回、経理としての価値を高める方法の一つとして、効率化を挙げました。
限られた人員で業務をこなしていかないといけませんが、
企業が成長していくと取引量は増えるし、煩雑な作業が増えていきます。
かと言って、簡単に増員できるわけではありません。
人を増やせば人件費も増えますので、できれば今の戦力で……。

悩んでいる暇があったら、まずは効率化しましょう。

経理として、効率化を図ることができる方法は何があるのか。
「デジタル化」をキーワードに、3つの方法を紹介します。

小口現金を廃止する

小口現金を廃止しよう

今、効率化を図る方法として最もお勧めしたい方法は、「小口現金の廃止」です。
消耗品の購入など、日々の経費精算のために会社に置いている少額の現金。

現金があると数えないといけないのが、経理の宿命です。
残高に変動があろうがなかろうが、数えないといけません。
正しく処理していれば、合わないはずはありません。
変動があれば、出納帳に記入もしなければなりません。
正直言って、面倒です。

面倒であれば小口現金、廃止してみませんか。

口座振替を推進する

小口現金を廃止する方法のひとつに、「口座振替」の導入の推進があります。

頻繁に現金での支払いがあるような取引先は、積極的に切り替えましょう。
最初こそ、切り替えのために書類を交わすなどの手間がかかりますが、
その都度の支払いがなくなることを考えれば、その効果は大きいものとなります。

法人用クレジットカード(ビジネスカード)を導入する

口座振替が難しい場合は、
「法人用のクレジットカード(ビジネスカード)」の導入があります。

クレジットカードで決済することにより、現金を持ち歩くリスクがなくなります。
また、社員が立て替えることもなくなります。
利用上限額を設定することもできますし、カード番号での管理もできますので、
社員の不正利用のリスクの軽減も期待できます。

口座振替にも言えることですが、決済のタイミングが固定されることも大きなメリットです。
月末で締めて翌月20日決済など、キャッシュフローにも余裕ができます。

キャッシュレスが推進されている今、導入しない手はないでしょう。

システムを活用する

システムの活用は効率の大きな向上が期待できる

効率化を図る上で、システムの利用は不可欠です。
手作業から解放されることにより、負担の軽減が期待できます。

会社によって、導入されているシステムは様々です。
自分の会社には、どのようなシステムがあるのか。
そのシステムで何ができるのか。
システムを最大限に活用するためには何が必要なのか。

何かしらシステムが導入されているのであれば、せっかくなので有効活用しましょう。

既存のシステムを連携させる

システムと言えば、何が連想されるでしょうか。
基幹システム、会計システム、給与システム……。
みなさんの会社にはいくつシステムが導入されていますか。

そのシステムひとつひとつに、同じ情報を何度も入力していませんか。
基幹システムで集計した売り上げを集計して、会計システムに人の手で入力して。
勤怠管理を集計して、その結果を給与システムに人の手で入力して。

システムに、データを切り出しや、データを取り込む機能がないか確認してみましょう。
システム間で連携できるようになれば、その作業をひとつにまとめることができます。

新しいシステムを導入する

思い切って新しいシステムを導入する方法もあります。

例えば、売り上げに手書きの伝票を使用していませんか。
手書きですと、過去の取引を確認する時に、一枚一枚見ていかなければなりません。
請求の際も月次の売り上げ集計も、いちいち電卓を叩かなければなりません。
手作業ですので、計算間違いのリスクもあります。

そのような作業を、ソフトを入れるなどシステムとして構築すれば、
受注の際に入力するだけで売り上げの集計まで自動的に計算してくれます。

計算間違いはありません。二度手間もありません。
過去を調べたいときは条件検索であっという間に資料が出てきます。

勤怠管理システムや、先ほど例として挙げた給与システムにも同じことが言えます。
市販のソフトとして多く流通している分野のシステムは、
そのような需要があるからこそ存在しています。

一度導入したシステムをコロコロと変えることはできませんが、
作業に限界を感じたときは、ひとつでも導入してみることをお勧めします。

エクセルを活用する

システムを導入・変更することに 抵抗や不安 を感じる方は、
エクセルを活用することも有効な手段です。

簡単な請求書であればエクセルで作成することもできます。
データの取り込みが可能なシステムの場合は、
連続する取引をエクセルで作成してから一括して取り込む方法もあります。

大したことがない作業からエクセル化を進めて少しずつ時間を作っていき、
必要に応じてシステムの導入を検討するなど、効率化を進めていきましょう。

ペーパーレス化を図る

ペーパーレスで管理の手間を減らそう

紙の資料は経理の敵です。

資料があれば、保管する必要があります。
請求書、納品書、伝票、領収証、契約書……。

資料の種類によって保存期間は異なりますが、10年置いておけば間違いはありません。
しかし、10年分の紙を置くスペースをどこかに確保しなければなりません。
さらに、10年を超えたものは廃棄しなければなりません。
情報が社外に漏れないよう、シュレッダーにかけるなり、焼却するなりして。

誰がどう考えても面倒ですね。
ですから、紙の資料を減らしましょう。

代表的な方法としては、

  • 請求書や納品書をWeb上にて発行する。
  • 経費精算や稟議書などをシステム化する 。
  • 電子帳簿保存法のスキャナ保存を利用する。

などがあります。

スキャナ保存については、申請の手間や法令の知識が必要になりますが、
その他の方法はシステムを導入するだけです。

特に、請求書のWeb発行は、郵送の手間や郵送料がかからなくなります。
取引件数が多い場合はシステムの運用費を考えてもメリットがあるでしょう。

紙の整理に追われなくなることで、かなりストレスが軽減されます。

効率化を図るメリット・デメリット・リスク

効率化にはメリットとデメリットがある

効率化を図る上で、メリットとデメリットがあります。
両方を理解し、より良い効率化を目指しましょう。

メリット

  • 負担が軽減される
  • ミスが減る
  • 空いた時間で更なる効率化を図ることができる
  • コストパフォーマンスが向上する

何といっても、最大のメリットは負担が軽減されることです。
時間的・精神的に余裕が生まれ、落ち着いて業務に取り組むことができます。

余裕を持って作業を行うことで、ミスが発生しにくくなります。
効率化された業務自体も、手順が確立されていることで、
ミスの発生率を低下させることができます。
ミスの減少は、フォローにかける時間の削減に直結します。
結果として、更なる負担軽減となり、好循環が生まれます。

負担が軽減され、時間に余裕が出来たら、次の効率化を考えることができます。
業務全体の時間を短縮することにもなりますので、
時間当たりのコスト、つまりコストパフォーマンスが向上されます。

経費を抑え、効率よく活用することで、企業の利益増大に貢献することができます。

デメリット・リスク

  • 方法によっては導入によるコストがかかる
  • 融通が利かなくなる
  • プロセスを省略しすぎるとかえって効率が悪くなる

主なデメリットは上記の通りです。

まず、方法によっては導入までにコストがかかります。
「システムの導入」で考えてみましょう。

システムの規模によっては莫大な費用がかかるものもありますし、
導入後も保守費用などのランニングコストも発生します。
その他にも、打ち合わせなどの時間的なコストも考えなければなりません。
システムは、メリットとして挙げたコストダウンとのバランスを考えて導入しましょう。

効率化は、融通が利かなくなるというリスクもあります。
ルールでがんじがらめにしてしまうと、例外への対応が遅れてしまいます。
ですから、例外の許容範囲を考慮しつつ、時には柔軟に対応する必要があります。

また、効率を意識しすぎて簡略化しすぎると、かえって効率が悪くなる場合もあります。
本来省略してはならないプロセスを外すことによってミスが増えると、
ミスの修正に時間を取られるかもしれません。
果たして、本当に不要な作業なのか、慎重に検討しなければなりません。

メリットだけにとらわれることなく、デメリット・リスクをよく洗い出すことで、
より効率の良い業務に変えることができます。

まとめ:効率化はできるところからやろう

今までの方法が正しいとは限らない

効率化を図るにあたって、一番の壁は「取り掛かり」です。
「面倒くさそう」とか、「そんなことやっている時間がない」とか、
色々と理由を付けてまずスタートラインにすら立たないと、いつまでも効率化できません。

まずは、ちょっとしたことから手を付けてみましょう。

いきなりシステムを導入できるわけがありません。
1ヶ月のどこかの10分を短縮できるようになれば、
その10分を使ってエクセル化できる作業があるかもしれません。
その他の効率化を考える時間にあてることもできます。

そうやって少しずつ、時間と心の余裕を作ってください。

そして、効率化が不要だと感じるところまできたのであれば、
自分のステップアップのために時間を使ってみてはいかがでしょうか。

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